スーホの白い馬は昭和40年から現在まで2年生の教科書に採用されています。採用教科書によっては現在、教科書に載らなくなりましたので調査していきます。
兄弟や姉妹なのに下の子の教科書に載ってなかったよ!という声が。いつから採用されなくなったの?
「スーホの白い馬」は教科書に現在も載ってる?
小学校の国語の教科書を出版しているのは日本で4社あります。そのうち、「スーホの白い馬」を小学2年生の教科書に採用しているのは「光村図書」です。(2022年現在)
以前は「東京書籍」でも小学2年生の教科書に採用されていましたが、今は採用されていません。
聞き込み調査すると、現在5年生の生徒が2年生の時に「東京書籍」でスーホの白い馬を習っています。しかし、現在の4年生の生徒は2年生の時に同じ教科書なのにスーホの白い馬は習っていません。
そうすると、3年前の2019年までは「東京書籍」で採用がありましたが、2020年~現在までは教科書に採用されていません。
「教育出版」は2001年まで採用されていた形跡があります。「学校図書」はそもそも採用されていたのか、調べても分かりませんでした。
国語の教科書4社を調べてまとめてみると・・・
「スーホの白い馬」は教科書に現在も載ってる?
光村図書>>>現在も2年生の教科書に載っています。
東京書籍>>>2019年まで採用。現在は教科書に採用されていません。
学校図書>>>現在は教科書に採用されていません。
教育出版>>>2001年までは採用。現在は教科書に採用されていません。
*現在・・2022年
このような結果になり、現在の教科書に採用されているのは「光村図書」のみになります。
2年生の教科書に採用されなくなってきた理由は何が考えられるでしょうか?
「スーホの白い馬」2年生の教科書に採用されない理由は?
弓で討たれた馬の骨・皮・筋・毛を使って楽器を作る。という描写がさらりと書かれてあります。これが採用されない理由だと考えられます。
大人でもなかなか辛いシーンですよね。
読み手が低学年ということを考慮して、馬を楽器にする深い苦しみや葛藤は直接的に描かれていません。サラッと書かれてあっても、想像豊かな子どもにしてみると、残酷でかわいそうな辛い描写です。
”そこまでしても一緒に居たかった。そばに居たかった。”というスーホの心情はこの作品を大切に読み深める部分でもあります。が衝撃的な印象が脳裏に焼き付くと、なかなか転換できませんよね。
●スーホと白い馬で伝えたいことは
1,スーホと白い馬の強く結ばれた絆は、王様の権力にかなわず、スーホが討たれてもかなわないほどの愛情であること
2,優しいスーホの愛情や正義感とは対照的に、権力だけでずるく何でも許される卑怯な王様が描かれてあること
3,苦しい状況に置かれたときに、どう判断し決断するのか?人生は選択の連続であり、その結果を自分で責任をもつことが大切であること
4,いつまでも一緒にそばに居たいが、同じ環境下で生きていくことはできないことを知ること
本来学習してほしい内容はこちらなのですけれど、難しい時代になりましたね。最近は絵のタッチや内容を柔らかくした「スーフの白い馬」という絵本が発売されていますよ。
スーホの白い馬とスーフの白い馬の違いは?モンゴルでは有名ではない?
まとめ
このように「スーホの白い馬」には多くの学びがある作品ですが、残酷な描写が動物愛護の観点からも時代に合わなくなっているのでしょうか?
スーホの白い馬から学び取る場面は他にもたくさんあるのですが、あまりにも辛いことなので、気づく子は気づくんでしょうね。ショッキングな思考にならない教育者の配慮が必要になります。